お姫様はメイド服!?
「なんです?姫?」

え?─

返事が返ってきた事に驚いて顔を上げるカグヤ。
その瞬間,バタンッと持っていた荷物が落ちた。

「レオン…?」

いつの間にか,止まらなかった涙は止まっている。

「なんですか?」

いつもの笑顔を見せるレオン。

「何でここにいるの?」

ゴシゴシと,涙を拭く。

「何でって…」

レオンは,そう言いながらクスクス笑った。

「迎えに来たんですけど…ダメでした?」

レオンの言葉に,黙って首を振るカグヤ。

「泣いてます?」

それにも首を振るカグヤ。

「じゃー…行きましょう?」

カグヤは,荷物を拾うとゆっくりレオンに近付いた。

夢のような感覚にいるような…
そんな感じがする…

どんどん近付くレオンに,胸が締め付けられる。
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