お姫様はメイド服!?
使用人を呼び,ゴキブリを片付けさせた。

さ…姫の所に戻りますか…。

時計を見ると,1時間は過ぎている。

時間,かけすぎたな…

「失礼します…あれ??」

自分の部屋のドアを開ける。
しかし,カグヤの姿が見えず,辺りを見回した。

「姫?」

パタンと,ドアの閉まる音がした。

レオンは,頭を掻きながら後ろを向いた。

クスッと微笑むレオン。

「すみません。
少し,時間を掛けすぎましたね。」

カグヤは,ドアの影にいたので見えなかったのだ。

寝ているカグヤの頬に触る。

「あなたを見つけた日,俺は,あなたと話しをした事があるんですよ?」

聞いていないカグヤに話しかけた。

「あなたは,俺に近付いてきて,草冠をくれたんです。」



『お兄ちゃん,カグヤが作った草冠,あげるー♪』

幼いカグヤが,レオンに走り寄りハナツメクサで作った草冠を,レオンに渡した。

『よろしいんですか?』

『うん♪』

レオンは,カグヤの無邪気な笑顔に,愛しい気持ちを覚えたのだ。
< 37 / 240 >

この作品をシェア

pagetop