お姫様はメイド服!?
「姫様は,そこで見ていな!」

ランシャーは,そう言いながら,レオンに剣を向けた。
レオンも,ランシャーに向かって行く。

「意味分かんない…」

カグヤは,2人から目を逸らし,そう呟いた。

「どうして,喧嘩しなきゃいけないの?」

キィィン!と,剣がぶつかる。
カグヤは,耳を塞ぎ,しゃがみ込んだ。

「やだよ…やだよ…。
止めて…止めてよ…」

─あなたには,力がある。

「え??」

頭に声が響き,辺りを見回した。

─あなたならできるわ。

それは,あの時の声。
入学式の日に,聞こえた声。

─さぁ…立ち上がって…

カグヤは,ゆっくりと立ち上がる。

─あなたならできる。

あたしならできる。

─あなたにしかできない。

あたしにしか…できない…
< 47 / 240 >

この作品をシェア

pagetop