お姫様はメイド服!?
「わかった…。
レオンが…着いてきて…」

震える唇を,何とか開き,頷いた。

「俺…あなたを失うのが怖い…」

クシャッとした笑顔は,今まで1度も見た事が無い。
胸が,ズキンと痛む。

「でわ,皆には俺から言っておきます。
姫は,ゆっくり休んでください…」

「はい…」

カグヤは,レオンに背を向け,部屋に戻った。

ドアを閉めて,そのまま座り込む。

あたし…レオンが好きなんだ…
あたし…恋しちゃったんだ…

顔を覆い,大きな溜め息をついた。

「無理よ…」

この国は,日本じゃない…
レオンは,普通の“人”じゃない…

胸が苦しい…
息ができない…

あたし…どうすればいいんだろう…

─恋しちゃった?

え?

顔を上げると,白い服を着た,あの女の子が,カグヤをのぞき込んでいた。
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