お姫様はメイド服!?
─辛い?苦しい?

女の子の言葉に,何度も頷いた。

─来なきゃ良かったって思ってる?

また頷くカグヤ。

─カグヤは,そんなんじゃないよね?

「え?」

─カグヤは,そんな事で逃げる子じゃないよね?

女の子の優しい声に,苦しかった胸は,温かくなっていく。

─諦めちゃだめ…カグヤならできるから。

強く響く声。

なんだろう…
この子の声聞いてると…何でもできちゃうきがする…。

「あなたは誰??」

カグヤがそう聞くと,女の子は微笑んで消えていった。

『諦めちゃだめ。カグヤならできるから』

レオンとランシャーが喧嘩していた時,あの声を聞いて,何でもできる気がした。

今もそう。
今なら,苦しいだけだったレオンへの気持ちも,頑張ろうと思えるようになった。
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