お姫様はメイド服!?
この中だなぁ~

まるで,隠れんぼの鬼のように,ゆっくりクローゼットに近付くと,取ってに手をかけた。

──助けてあげて

声が聞こえて,パッと手を放した。

──あなたにしか出来ないの

ゆっくり後ろを向くと,女の子が微笑みながら,カグヤを見ていた。

「どうして…あたし?」

──あなたは,姫久耶でしょ??

「????」

──理由は,後からわかるわ。今は,急いで。

「急いでって??
あたしは何をすればいいの??」

──クローゼット…開けて?

クローゼット?

カグヤはもう一度,クローゼットの取っ手に手をかける。

──あなたがしなくちゃいけない事は,きっと向こうの人が教えてくれる。

取っ手を掴んだ手に力を入れる。

──だから,怖がらないで…

ギィィという音と共に,クローゼットが開いた。

「わッ!!!!」

カグヤは,吸い込まれるように,クローゼットの中に入る。
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