お姫様はメイド服!?
「神獣は…あたしを含めて,この城にいる全員なの…」

全てが止まった気がした。
何も聞こえなくなった気がした。

カグヤは,遠くにいるレオンを見る。

レオンも,神獣なの?
国が違うだけだったら,何とかなると思った。
でも…

レオンは神獣。
人間じゃない。

「あたしはラビット。
クローンはクロコダイル。
コンドラはコンドル。
ランシャーはシャーク。
ドランはドラゴン。
レオンが,ライオン。
皆,それぞれに変わるの…。
騙していたつもりはないわ。
ただ,言いそびれちゃっただけ…。
カグヤチャン?」

カグヤは上の空だった。
ただ,視線の向こうには,剣を振っているレオンがいる。
ラビーはその姿を見て,口を手で覆う。

「もしかして,カグヤチャン…」

「え??」

ラビーの方を向いたカグヤ。
ラビーは,続きの言葉を飲み込んだ。
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