お姫様はメイド服!?
「さ…食べ終わりましたね!
でわ…そろそろ失礼します。」

一礼して,部屋を出て行こうとするレオンの背中を,カグヤはずっと見つめていた。

手が届きそうで,届かない…。
そんな場所に,レオンはいる。

今,レオンに抱き付くのは簡単。
でも,それじゃぁダメなの…。
きっと,レオンは困った顔をするわ…。

カグヤは,伸ばしそうになった手を止め,ギュッと空気を握った。

パタンと,静かにドアが閉まった。

さっきまで,楽しかったカグヤの部屋は,急に寂しさを増した。

イスの上で,体育座りをするカグヤ。
膝に顎を乗せる。

10年前の草冠を,大切に持ってるって事は,きっと何かがあるんだ…。
きっと,大切な人なんだ…。

何でかな…

涙がでてくる…。
< 90 / 240 >

この作品をシェア

pagetop