お姫様はメイド服!?
自分の部屋に戻ったレオンは,ベッドの横の引き出しを開けた。

透明な箱の中に,枯れて茶色い,シロツメクサの草冠が入っている。

それを,手に取り,ベッドの上に乗せる。

「姫は,覚えていないみたいだな…」

クスッと,笑みが零れる。

あの時の姫は5歳。
覚えているわけないか…。
もし,自分だと分かったら,姫は驚くかな?

俺の大切な物…
俺の大切な人…


早く,カグヤと呼びたい。
カグヤって,何度も呼びたい。

この感情を,前の召喚主に聞いた事がある。

『ものすごく大切だと思う人。
ものすごく守りたいと思う人。
それは,お前がその人を好きだからだ。』

『スキ…ですか?』

『そうだ。
その人の笑顔をずっと見ていたい。
その人の笑顔を見ていると,心が温かくなって,嬉しくなるんだ。
逆に,その人の辛い顔は,心を痛くする。』
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