お姫様はメイド服!?
「それにしても,皆さん部屋から出ていたんですか?」

「何で?」

カグヤがそう聞くと,ドランは泣き真似をした。

「私,何度も助けてと叫んだんですよぉぉ!
なのに,誰も来てくれないし…
丁度通り掛かったレオンがいなかったら…私は…うぅぅッ…」

顔を覆い,涙を流し始めたドラン。
その後ろでは,後悔の顔をしたレオンが,頭を抱えていた。

静かな部屋に,ドランの泣き声が響く。
気まずい空気が3分ほど流れた。

その空気を破ったのは,今までずっと,黙って座っていたラビーだった。

「ドラン?泣かないで?
素敵な紳士は,そんな事で泣きません。
ほら,座って!レオンも!
座れば,気分も晴れるから!」

お母さんのようなラビーに,家族を思い出したカグヤ。

お母さん…心配してるかな…

「姫?」

暗い顔をしているカグヤを覗き込むレオン。

「あは!レオン,顔色悪いよ?
何があったか,後で教えてよね!」
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