だって、キミが好きだから。
涙が止まらないのは、強く願ってもいつかは忘れちゃうんじゃないかって心のどこかで思ってるからだ。
優しくされると、された分だけツラくなる。
忘れたくなくなる。
記憶の片隅に、少しでもキミのことが残ればいいのにって願ってしまう。
「大丈夫だから。な?」
困ったようにオロオロしながらも、琉衣は泣き続けるあたしの頭を撫で続けた。
その手を振り払わなきゃいけないのに、あたしにはそれが出来なくて。
琉衣の優しさに甘えてしまった。
卑怯だよね。
ズルいよね。
最低だって自分でもわかってるけど、琉衣の優しさを感じていたかったんだ。