だって、キミが好きだから。
全力〜琉衣斗side〜
「琉衣斗〜、お前マジで最近付き合い悪くね?」
放課後。
カバンを持ち上げ教室を去ろうとした俺に、アオが馴れ馴れしく肩を組んでニヤニヤして来る。
「なのちゃんとは付き合ってねーんだろ?なのに、なんでそんなに急いで帰ってんだよ」
「テメーには関係ねーだろ。黙ってろよ」
『なのちゃん』って、なに気安く名前呼んでんだよ。
呼ぶなっつーの。
あのカラオケの日以来、こいつらは俺を散々からかって来るようになった。
朔真は最近落ち着いたけど、今度はアオだ。
俺が菜花を連れ出したのがそんなに気に入らなかったのか、こうしてニヤニヤバカにされるのは日常茶飯事。
うぜーったらねーよ。