だって、キミが好きだから。
「なー、カラオケ行こうぜ。お前が来ないとアイミちゃんが来てくんねーんだよ!ったく、アイミちゃんは琉衣斗なんかのどこがいいんだか」
アオがブーブー文句をたれる。
アイミちゃんって。
「誰だよ。知らねーよ。行くわけねーだろ」
アオの腕を振りほどき、教室を出ようと前に進む。
「アイミちゃんだよ、アイミちゃん。お前の好きなタイプの女だと思うぞ、ピュア系の子だし」
アオはマジでしつこい。
うっとおしすぎるし、俺はそんな女に興味ねーんだよ。
それに、お前は菜花狙いじゃなかったのかよ。
変わり身が早すぎるだろ。
「やめてやれよ。嫌がってんだろ?琉衣斗は北上さんにマジ惚れしてるもんなー?」
今度は朔真がニヤッと笑って俺の顔を覗き込む。
やっぱ、こいつもうぜーな。
えーい。
面倒くせー。
この先もこいつらにからかわれ続けるくらいなら、いっそのこと認めた方がスッキリするってもんだ。
「ああ、そうだよ。俺は菜花にマジで惚れてんだよ!」