だって、キミが好きだから。
3.
覚悟
次の日。
あたしは思い切って琉衣に電話をかけた。
番号とアドレスは大分前に交換してたけど、連絡を取るのは初めてだからドキドキする。
琉衣はあんまりメールしないって言ってたから電話しちゃったけど……出てくれるかな。
緊張するよ。
「もしもし、菜花?」
スマホの向こうから聞こえた優しい琉衣の声。
それだけで、胸の奥がグッと熱くなって涙が溢れそうになった。
「う、うん……!いきなりごめんね。今、忙しい?」
外にいるのか、辺りがガヤガヤうるさい。
不安に掻き立てられる胸を手で押さえて、スーッと大きく息を吸う。
緊張しすぎてダメだ。
ヤバいよ。
「今?全然忙しくねーよ」
「ほ、本当?外にいるんだよね?」
「おう。けど、大したことしてねーから」
「そ、そっか。ちょっと話があるんだけど。明日会える?」
「何だよ、話って。嫌な話なら聞かねーけど?」
琉衣は冗談っぽく言ってクスッと笑った。
どんな顔をして笑っているのかが想像出来て、胸が熱くなる。
こんなにも……こんなにも琉衣が好き。
「い、嫌かどうかはわかんないけど、大事な話だから」