だって、キミが好きだから。
「……大事な話?」
一気に琉衣の声のトーンが低くなった。
「うん……大事な話。会って話したいの」
「うん……わかった。けど、明日まで待てねー。今から菜花んちの近くまで行くから」
「え?で、でも、誰かといるんだよね?」
そう思ったから、明日って言ったんだけど。
「朔真とアオとカラオケに来てる。けど菜花の方が大事だから、すぐ行く。待ってろよ」
ーープツッ
ーープープープープー
え?
えー?
今から来るの?
電話が切れたあと、しばらくそのまま動けなかった。
とりあえず着替えなきゃ。
だらしなくパジャマでゴロゴロしていたから、クローゼットを開けて服を選ぶ。
まさかこんなにすぐ会うことになるなんて。
タイツとショートパンツを履いて、上はニットセーターを合わせた。
コートのポケットにスマホを忍ばせてマフラーを巻くと、玄関に下りてモコモコのブーツを履く。