だって、キミが好きだから。
自分の気持ちをちゃんと伝えよう。
琉衣に真剣にぶつかってみる。
お姉ちゃんに励まされて、あたしはそう決めた。
「菜花、行くの?頑張ってね!」
玄関でブーツを履いていると、リビングからお姉ちゃんとお母さんが出て来た。
お母さんは安心しきったような顔をしていて、なんだか機嫌が良さそう。
お姉ちゃん……まさかお母さんに言ってないよね?
「大丈夫、言ってないから」
不安に思っていると、お姉ちゃんがあたしの耳元でコソッとつぶやいた。
なんだ、それなら良かった。
ホッと胸を撫で下ろす。
「菜花、気を付けてね」
お母さんが手を振って見送ってくれる。
心配させてごめんね。
でも、もう大丈夫だから。
「行って来ます」
あたしは慌てて家を飛び出した。