だって、キミが好きだから。
苦しそうに肩で息をする琉衣の顔は、不安でいっぱいといった感じだった。
「はぁはぁ」
「だ、大丈夫?」
体を折り曲げて膝に手を付く琉衣の顔を、しゃがみ込んで下から見上げる。
「お、おう。全然……余裕!」
琉衣はそんなあたしをちらっと見て、唇の端を持ち上げニヤッと笑った。
強がってるってバレバレだよ。
そんなに急いで来る必要もなかったのに。
でも……嬉しい。
あたしのことで必死になってくれる琉衣の行動が、たまらなく嬉しい。
「寒かったでしょ?急に電話してごめんね」
「いや、全然……っ!」
「そう?」
「おう。つーか、休みの日にまで会えるなんてラッキー。電話も……掛けて来てくれて嬉しかった」
恥ずかし気もなく琉衣はそんなことを口にする。