だって、キミが好きだから。
ドキドキが止まらなくなって、目を合わせていられなかった。
だけど、そらしちゃいけない。
逃げないって決めたから。
「あたし……琉衣のことが好きだよ」
無意識に思わず琉衣の方に手を伸ばす。
ダウンの裾を掴んで、ギューッと握った。
「前に言っただろ?言っていい冗談と悪い冗談が……っ」
しどろもどろになりながら、視線を泳がせる琉衣。
「冗談なんかじゃないよ。本気……だから。あたしは、琉衣が好きなんだよ」
心臓の音がすごくうるさい。
顔だって、きっと真っ赤だ。
「あたしのことを好きだって言ってくれた時は、すごく嬉しかった。気持ちに応えたいって思ったけど……っ出来なくてごめんね」
琉衣の瞳が戸惑うように揺れている。
女の子の扱いに慣れているはずの琉衣が見せた新鮮な顔。
動揺……?
ううん、ビックリ?
そんな顔をしてる。