だって、キミが好きだから。
「わ、わかった!甘さ控えめのやつにするね!」
握り拳を作って意気込む菜花を見ていたら、思わず笑っちまった。
「さーてと。帰るか」
「え?もう?」
まだ帰りたくないとでも言うように、見開かれた菜花の大きな目。
なんだよ。
いちいち可愛いな、こいつ。
もっと一緒にいたいと思ってしまう。
「わりーな、これからバイトなんだよ」
「え?バ、バイト?そんなことしてたの?」
そっか。
菜花には言ってなかったな。
「まーな。駅前のラーメン屋にいるから、ヒマな時に吉田と一緒に来いよ。メンマとかナルトを大量に盛ってやるから」
「た、大量に……!?う、うんっ!絶対に行くね!」
パアッと明るくなる菜花の表情。
ぷっ。
こいつ、わかりやすすぎだろ。
菜花を家まで送り届けると、俺は猛ダッシュでバイト先まで向かった。