だって、キミが好きだから。
日曜もバイトで1日が潰れたけど、俺の気分は絶好調だった。
浮かれ過ぎて、お袋や姉貴に不審な目を向けられたぐらいだ。
脳腫瘍のことは帰って来てから即効調べた。
良性の場合、症状が出なかったら何の問題もないらしい。
転移する危険性もないし命に別状もない。
症状が現れたら手術適応になるらしいけど、菜花の場合は大丈夫だろ。
なぜだかわかんねーけど、根拠のない自信だけはあった。
そんなこんなで迎えた月曜日。
「お、琉衣斗。ちょっと来いよ」
廊下の踊り場から朔真が俺を手招きする。
アオともうひとりのメンバーも揃い、何やらぎゃあぎゃあ騒がしい。
よく見ると、その中心に菜花がいた。
あいつら……っ。
馴れ馴れしく話しかけてんじゃねーよ!