だって、キミが好きだから。
「何やってんだよ!」
「お、来た来た。世話焼き男が」
アオが俺を見てニヤッと笑う。
ちっ、マジでこいつは。
何が気に入らねーのか、しつこいぐらいにからかって来る。
「なんでお前らが菜花といんだよ?」
「何でって、友達なんだから別にいいだろ?」
朔真が悪びれもなく俺に言う。
「よくねーよ、俺に断りもなく勝手なことすんな」
「いちいちうっさい男だな。なのちゃんがお前に用があるっつーから、一緒に待ってたんだよ」
だからって、お前らが一緒にいる必要はねーだろ。
しかも、朔真の奴いつの間に『なのちゃん』呼びになってんだよ。
「で、用って?」
菜花の方に目をやると、あからさまにビックリしたように肩を揺らす。
途端にモジモジし始めて、顔を赤くしながらうつむいた。
なんだ、こいつ。
いきなり赤くなって、可愛い奴だな。
こんな姿、朔真やアオには見せたくねー。
くそっ、どっかいけよ。
ニヤニヤしてんじゃねーよ。
「る、琉衣にこれを渡したくて待ってたの」
差し出されたのはピンク色の紙袋。
華奢な細い手で、おずおずと俺に向かって差し出している。
「本命だから、受け取ってくれる……?」
目を潤ませながら上目遣いで俺を見上げた菜花は、不安気に瞳を揺らしている。
くそっ。
なんでいちいちこんなに可愛いんだよ。