だって、キミが好きだから。


周りからチクチク視線を感じる。


それは菜花も同じみたいで、気まずそうに下を向いてしまった。



「やだー、矢沢君に何か渡してるよー?」



「あの2人って、付き合ってんの?」



「信じらんない」



「でも、矢沢君って特定の彼女を作らないって有名じゃん。遊びなのかもよー?」



「えー、かわいそう〜!」



周りの雑音がウザくてたまらない。


菜花にも聞こえたのか、肩を小刻みに震わせ始めた。



「あれってどう見ても手作りじゃない?」



「やだー、重すぎ〜。矢沢君が受け取るわけないじゃんねー!」



「ねー!バレンタインの時、みんなのチョコ断ってたし」



あー、マジでうるせー。


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