だって、キミが好きだから。
「サンキューな。マジ嬉しい」
差し出された紙袋を受け取ると、そのまま菜花の腕を掴んで引き寄せた。
ビックリしたようにパッと顔を上げた菜花は、どこか寂しそうな顔をしていて。
あの日と同じように、悲しげな笑顔を浮かべて笑っている。
やめろよ。
そんな顔すんなって。
お前がそんな顔してると、俺まで悲しくなんだよ。
「ちょっ、受け取ったじゃん!」
「えっ?ほんとだ。なんで!?」
ザワザワと騒がしくなり始めるギャラリーたち。
どんだけの奴が盗み見してんだよ!
俺は菜花の肩を抱くと、コソコソする女子たちの方に向き直った。
「俺、マジでこいつが好きだから」
「る、琉衣……?な、なに言ってんの!?」
隣で菜花がギョッとしている。
「いいから、ちょっと黙ってろって」
「で、でも。恥ずかしいよ……」
「いいから」