だって、キミが好きだから。
強がり〜琉衣斗side〜
『ごめんなさい』
北上のその言葉を聞いて、胸にグサッと何かが突き刺さったような気がした。
今まで振られたこともなければ、女に苦労したこともなかった俺が振られるなんて。
一瞬ポカンとしたけど、すぐにその意味を理解した。
つーか、告白したのだって初めてだし。
振られるとか、マジかよ。
「あ、あたし……今は誰とも付き合う気がなくて」
北上は目を潤ませながら俺を見上げて、申し訳なさそうに眉を下げる。
透き通るようなスベスベの白い肌にちょこんと乗ったピンク色の小さな唇が、かすかに震えていた。
女子の中でも小柄で華奢な北上は、誰が見ても守ってやりたくなるような可愛さを持っている。
それは計算とかではなく、俺が守ってやらねーとって男心をくすぐるような天然の可愛さ。
誰とも付き合う気がねー、か。
まぁ、断るには無難な言い訳だよな。
「そっか。ま……気にすんなって」
そうだ。
気にするほどのことじゃない。
別に俺はどうってことねーし。
落ち込むはずもない。
ピンと来たのは確かで、可愛いと直感で思っただけだ。
そう。
ちょっと可愛いなって。
その程度。