だって、キミが好きだから。
「好きな人っていうか……あたし、彼氏いるから」
「えっ……!?」
は?
か、彼氏がいる……!?
わけがわからなくて、しれっとしている萌奈の顔をマジマジ見つめる。
「なにそんなにビックリしてんのよ?」
「い、いやいや……っ!するでしょ!なんで言ってくれなかったの!?ひどくない?」
今まで仲が良かったのにっ。
親友だと思ってたのは、あたしだけだったの?
そう考えると寂しい気持ちで胸がいっぱいになった。
いくら聞いても教えてくれなかったのに、どうして今日に限ってすんなり教えてくれたのかも謎だ。
「隠しててごめんね。ほら、あたしって男勝りだからさー。自分の恋愛話はどうも性に合わなくて」
照れたようにはにかむ萌奈は、頬を赤く染めて乙女のようだ。
「どんな人なの?この学校?あたしも知ってる?」
「中学の同級生だから、菜花は知らないよ」
「えー?そうなのー?写メは?」
萌奈の彼氏がどんな人なのか、すごく興味がある。
「写メー?あったと思うけど……待ってね」