だって、キミが好きだから。
暗闇の中の光
春休みが始まって3日が経ちました。
今日は朝から駅で待ち合わせ。
お天気も良くて、まさに絶好のお出かけ日和。
「菜花」
「あ、琉衣!おはよう」
「おう」
ダルそうに歩いていた琉衣は、あたしを見るなり駆け足で近寄って来た。
腰で履いたジーパンに薄手のウインドブレーカーを羽織った琉衣は、背が高くて本当に何を着ても似合う。
あたしも琉衣に釣り合いたくて、今日はちょっとオシャレしてみた。
まだまだ肌寒くて震えるけど、頑張ってスカートを履いてみたんだ。
寒いけど、琉衣に可愛く見られたいから頑張れる。
「行くか」
ニッと笑ったあと、琉衣がさり気なくあたしの手を引いて歩き出した。
胸がキュンと弾んで、奥の方がくすぐったい。
琉衣といると、いつもこんな気持ちになる。