だって、キミが好きだから。
「おー!おかえり〜!どうだった?」
「うまくいったのか?」
「お前のことだから、もう手ぇ出したんだろ?」
ニヤニヤしながら、教室の後ろの方の席で固まっていた奴らがイジって来る。
奴らはかなりハデで、時にはやんちゃして遊んだりもする気心が知れる仲間。
ふざけたりバカばっかやって遊んでるけど、悪い奴らじゃないからなんだかんだでずっと一緒だ。
「北上さんと付き合ったのかよ?」
まぁ、たまにウザい時もあるけどな。
「どうなんだよ?」
こいつらのニヤけた顔を見ていると、なぜだか無性に腹が立って来た。
「あの子、ウブそうだからいつもの調子でいくとすぐ振られるぞー」
「あー、言えてる」
くそっ。
なんなんだよ。
つーか、もうとっくに振られてんだよ。
自分の席にドカッと腰を下ろし机に突っ伏す。
「え?なんだよ、機嫌悪くね?」
「朝、あんだけ緊張しながら靴箱探してやがったくせに」
「はははっ。朝のあれはマジ爆笑もんだったよなぁ。今まで女を泣かせまくって来たお前が、必死だったの見てかなりウケたし」
「マジ、ストーカーかと思った!ぎゃはは」
ーーバンッ
手のひらで思いっきり机を叩いた。
ジンジンして痛かったけど、今そんなことはどうでもいい。
「うっせえよ。黙ってろ」
「うっわ。マジで機嫌悪いな」
「さてはお前……振られたんだろー?はははははっ。マジウケる」
この中でも俺の次に目立つハデな金髪頭の高垣 朔真(たかがき さくま)が、お腹を抱えて大笑いしながら机をバンバン叩く。
こ、こいつ……。
マジぶん殴る。