だって、キミが好きだから。
琉衣に引っ張られるがままに映画館を出た。
「琉衣は冷めてるよね……ひっく。あんな結末、悲しすぎるじゃん……っ」
「途中から展開読めたしなー。あー、やっぱりかって思った」
「な、なにそれー。映画は展開を読むものじゃなくて、ストーリーを楽しむもんじゃん」
「俺なりに楽しんでたつもりだけど」
「うそっ……!だったら泣くはずだもんっ」
涙をポロポロ流しながら琉衣に反撃する。
「俺は泣かねーよ。菜花が純粋すぎるだけ」
「うー……っ」
「ほら、もう泣くなって。気持ちを切り替えて買い物しようぜ。な?」
ポンポンと頭を撫でられて、涙が徐々に落ち着いて来た。