だって、キミが好きだから。
だけど胸は苦しいままで。
ヒーローの気持ちを考えたら、どうしようもなく切なかった。
「もしあたしが死んだら……琉衣はどうする?」
「はぁ?」
突拍子もないあたしの質問に、琉衣がビックリしたような声を出す。
「縁起でもないこと言うんじゃねーよ。菜花は死なねー。俺が死なせねーよ」
「だから、もしもの話だよ」
「もしもでも、んなこと言うな。バカ」
「……っ」
バカって。
失礼だよね。
「なんか腹減ったから、先に昼飯食おーぜ」
「あ、う、うん……!そうだね。確かにお腹空いたかも」
なんだか色々考えていたら、気分が重くなって食欲なんて湧かなかった。
ずっとずっと……胸の奥底には何かがある。
1人になると、どうしようもなくなって涙が溢れて来るんだ。
でも、せめて琉衣といる時だけは明るくしなきゃ。
「何食いたい?菜花の好きなもん食おう」
「え?えーっと……じゃあ、うーん。和食屋さんがいい!」
「和食か。了解」
手を繋ぎながら、ショッピングビルのレストラン街を目指した。