だって、キミが好きだから。


琉衣との思い出も、経験も。


日記を読んでビックリさせられることばっかりなんだ。



「このまま……何もかもを忘れちゃうんじゃないかって考えたら……怖くて怖くて……っ」



自分が自分じゃなくなっていきそうで怖い。


これまでのことを忘れてしまうということは、人生のすべてを失うのと同じで。


思い出や記憶が消えちゃうのは、イコール死んでしまうことと同じだ。


生きてたって……意味がないよ。


そう。


意味なんて……ないんだ。


この先あたしとして生きられないのなら。


意味なんて……ない。



「この先……どうやって生きて行けばいい……っ?」



泣いても叫んでも待ち受ける未来は変わらなくて、どんなにあがいても運命から逃れることは出来ない。


もしあたしの運命が、何もかもを失うようになっているのだとしたら。


そう考えただけで、恐怖が胸に込み上げて来た。



こんなにツラい人生なら、最初から産まれて来ない方が良かった。



なんであたしだったんだろう。


どうしてあたしがこんな目に遭わなきゃいけないんだろう。


あたし……何も悪いことしてないじゃん。


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