だって、キミが好きだから。
考えても意味のないことを、どうしても考えてしまう。
「大丈夫だ。菜花は絶対大丈夫だ」
「大丈夫じゃ……ないよっ。あたし……そのうち絶対に琉衣のことも……っく、わからなくなる」
それでも大丈夫って言えるの……?
琉衣とのことも全部忘れちゃうんだよ?
琉衣は平気なの?
あたしに忘れられて、ツラくないの?
こんなあたし……嫌だよね?
涙が止まらなくて、腕でゴシゴシ拭った。
「たとえ忘れても、俺がいるだろ?俺が菜花に全部思い出させてやるから。だから、んなこと言うなよ……っ」
肩を抱き寄せられて、琉衣のたくましい腕にギュッと抱き締められた。
温かくて……優しくて。
「頼むから……俺のために生きて。俺……お前がいねーとムリだから」
琉衣の全身から伝わる熱い想いに胸が震える。