だって、キミが好きだから。


あっという間に始業式が済み、自己紹介とかしてたらHRもすぐに終わった。


そして下校の時間はすぐにやって来た。



バイトだという琉衣とは学校で別れた。



家に帰ってから着替えて一息つくと、何気なく引き出しを開けた。



あれ……?


なにこれ。


こんなノート、あったっけ?


見覚えのないノートが入っていて、中を見てみるとどうやらそれは日記のようだった。



これ……あたしの字?


あたしが書いたの?



昨日の日付で書かれていたものに目を通す。



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2016年 4月6日 水曜日


いよいよ、春休み最後の日になりました。


桜が見頃を迎えたから、今日は琉衣と2人でお花見に行ったよ。


あたしの家の河川敷の近くの桜並木。


ピンク色の絨毯がどこまでも広がっているみたいで、すごくすごく綺麗だった。


どこまでも続く道を、2人でたくさん話をしながら歩いた。


琉衣には看護師のお姉さんがいるんだって。


そしてなんと!


あたしが通院してる病院で働いているらしい。


お父さんが獣医さんで、お母さんが専業主婦。


琉衣の好きな色は黒で、部屋も黒の物で統一されているらしい。


行ってみたいなって言ったら、また今度なって見事に交わされちゃった。


今度っていつだろう。


2人で見た桜を、話したことをしっかり胸に刻んでおこう。


桜の中で見る琉衣の姿は、言葉にはあらわせないくらいカッコ良くてドキドキした。


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