だって、キミが好きだから。


な、なにこれ。


こんなの知らない。


あたしじゃない。


あたしは覚えてない。



書いてもいないし、こんな日記帳も見たことがない。


なにこれ。


なにこれ……っ。



パラパラめくってランダムに読んで行く。



─────────────────


今日は琉衣から2度目の告白を受けた。

女にいい加減だったなんて、過去のことを正直に話す必要はないのにね。

ちょっとだけ傷付いちゃったよ。

でも、あたしのことが好きだって。


─────────────────



琉衣って……昔は女にいい加減だったの?


そうなの……?


昔って、いつ?


あたしと付き合う前?


わからない……。


何も思い出せない。


まるで他人の日記を読んでる感覚。



さらに読み進めると、あたしは脳に腫瘍があって記憶を失くしていくかもしれないということが書いてあった。



< 208 / 343 >

この作品をシェア

pagetop