だって、キミが好きだから。
キッチンからカレーのいい匂いがして腹が鳴る。
「あんた、本当にその髪の毛の色をどうにかしなさいよ?先生から何度も電話が来てるんだからね」
食卓についた途端、お袋がいきなり説教をかまして来た。
そして呆れたように俺を見てため息を吐く。
「うっせーなー。俺の勝手だろ?」
「うっさくない!親に迷惑かけるようなことだけはすんなって言ってんの。お父さんも呆れ果ててるわよ。そんなんじゃ、好きな子にも嫌われるよ」
「は?」
好きな子って……。
「バレてないとでも思った?あんた、わかりやすいからね。親呼び出されたなんて知られたら、カッコ悪いことこの上ないんだからね?」
「う、うっせーな……!」
な、なんなんだよ。
菜花はんなことで俺を嫌いになったりしねーよ。
……多分。