だって、キミが好きだから。


「昨日染めた」



「へー、そうなんだ?イメチェン?」



無防備に俺に触る菜花。


さらには近くでニコッと微笑まれて、心臓を鋭く撃ち抜かれた気分になる。


やべえ、可愛い。


目の前でニコッて。


あー、やべえ。


このあと家に行くのに、大丈夫かよ俺。



「ん?あ、ああ。イメチェン。カッコ悪いとこは見せらんねーしな」



親が呼び出されるなんて、まっぴらゴメンだ。



「そうなんだー!前のも好きだったけど、黒もすっごいカッコ良いね!」



菜花のこの反応。


すっげえ嬉しそうだ。


黒染めしてマジで良かった。


単純な俺は、一瞬で自分の黒髪が好きになった。


それで菜花が笑ってくれるなら、ぶっちゃけもう何でもいい。


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