だって、キミが好きだから。


「も、もう……!そんなに可愛いって言われたら照れるじゃんっ。あ!お家の人、甘い物好き?お母さんがパウンドケーキを持たせてくれたんだけど、お口に合うかどうか」



「変な気遣わなくていいのに。俺の家族なんて、適当に相手してたらいいんだって」



「ダ、ダメだよっ!琉衣の大切な家族なんだから、あたしも大切にしたい」



菜花がギュッと俺の手を握る。


真剣に言ってくれてる菜花を見ていると、胸の奥から何とも言えないむず痒い気持ちが湧き上がって来た。


こいつ……なんて良い子なんだよ。


ここまで出来た奴なんて、俺の周りには他にいない。


俺の大切なモノを、同じように大切に出来る心がすっげえ純粋すぎるというか。


まっすぐというか。


やっぱりさ……菜花といると癒される。


こんな良い子が俺のことを好きだなんて、未だに信じらんねーよ。


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