だって、キミが好きだから。
なぁ、頼むから。
俺は……俺だけのことは忘れないでくれよ。
菜花に忘れられたら、マジで生きていける気がしねー。
でも、たとえ忘れられても離してやんねーけど。
俺は菜花の細い肩に手を回してグッと抱き寄せた。
そして、耳元にそっと唇を寄せる。
白い頬が赤く染まって行くのを見て、無性に触れたいと思ってしまった。
「変なこと言ってねーよ。可愛いなって、お前のこと見てただけ」
「か、可愛いって……そ、そんなにシレッと言わないでよ」
「仕方ねーだろ、マジなんだし」
「も、もう……っ!」
大きな目で俺を見上げる菜花の顔はビックリするほど真っ赤。
あーもう。
だからそんな目で見んなって何回も言ってんのに。