だって、キミが好きだから。
その顔にドキッとしてしまう。
カッコ良いな……なんて。
「カバン重いでしょ?自分の分は自分で持てるよ!」
「全然余裕」
琉衣はニッと笑って、自分の分とあたしのカバンを両手で軽々と持ち上げて見せた。
優しい琉衣が好き。
……大好き。
「今日の夜さー、抜け出せたらそっちの部屋行くから」
「えっ?でも、萌奈もいるんだけど」
「うん。だから朔真も一緒に」
「さ、朔真君も?」
なんだか、たくさんの女子から反感を買いそうな予感。
そうです。
実は今日から2泊3日の修学旅行なんです。
行き先は北海道で、今日の日をすごく楽しみにしていた。
学校に着くと、すでに来ていた萌奈があたしに駆け寄って来た。
「おはよう、菜花。ドキドキしちゃって、昨日はあんまり寝れなかったのー!」
トレードマークのシュシュで結んだポニーテールを揺らしながら、萌奈があたしの腕に飛び付く。
「おはようー!いっぱい思い出作ろうね」
「当たり前じゃん!超楽しみ〜!」
「よう!」
琉衣を見つけた朔真君もこっちにやって来て、あたしと琉衣の周りは一気に明るくなった。