だって、キミが好きだから。
「おらー、静かにしろー!来た奴からどんどんバスに荷物を積み込めー!出発するぞ」
先生が来て場が静まると、あたしたちはバスに移動した。
もちろんあたしの隣は萌奈で、朔真君は琉衣に引っ張られながら大人しく席に着いた。
「本当、いい加減にして欲しいよね。軽いしチャラいし、朔真君ってやっぱりイマイチ信用出来ないよ」
「そう?でも、ちょっかい出してるのって萌奈に対してだけだよね」
「そんなことないよっ!この前、ギャルっぽい女と2人で歩いてるとこ見たし。すっごい怖い顔してたから、ケンカか何かしたあとだったんじゃない?」
萌奈が呆れたようにため息を吐く。
「それなのに、あたしに気を持たせるなんて本当いい加減にして欲しい。まぁでも、なびくことはないけどね」
「なになに?俺の話?」
コソコソ話していると、通路を挟んだ横から身を乗り出して朔真君が割り込んで来た。
あたしと琉衣が通路側に座って、萌奈と朔真君が窓際。
「うっさい。自惚れないでよね、バカ」
「うっわ、バカってひでーな」
「ひどくないっ!話しかけないで!」
フンと勢い良く鼻を鳴らして、萌奈は窓の外に目をやった。