だって、キミが好きだから。


ーードサッ



気付くとあたしは、玄関の床に押し倒されていた。


その上に琉衣が覆いかぶさって、照れるヒマもないほどすぐに唇を塞がれる。


ビックリするほど熱い唇に翻弄されて、何も考えられなくなった。



「んっ……る、い」



「もっと……俺の名前呼んで」



唇が首筋に押し当てられて、耳元に聞こえる琉衣の声にさらに胸が熱くなる。


尋常じゃないほどドキドキして、心臓が口から飛び出しそう。



「俺でいっぱいになれよ、マジで。離れたくねーって思うほど、頼むから俺に溺れろよ」



「……っ」



「好きすぎてやべえ……離れたくねーよ」



「うん……あたしも」



だって、キミが好きだから。


どんなささいなことも忘れたくない。


涙が溢れて、それはどうやっても止めることが出来なかった。



「マジで好きだ」



琉衣の苦しそうな声が胸に響く。


あたしも……あたしも琉衣が好き。


だから……あたしの初めてを琉衣にあげる。


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