だって、キミが好きだから。


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2016年 7月3日 火曜日


琉衣は今日も寂しそうに笑ってた。


わかってる。


本当はあたしがそんな顔をさせてしまっているってこと。


苦しませていることは十分わかってる。


あたしといると……琉衣は心から笑えないのかな?


この先もこんな顔をさせるくらいなら、別れた方がいいのかもしれない。


嫌だけど……それで琉衣が本当の笑顔を取り戻せるのなら。


あたしの気持ちは押し殺して、琉衣の幸せを願った方がいいのかもしれない。


だって……あたしはいずれ全部を忘れちゃうんだよ?


一緒にいても琉衣を傷付けちゃうんだ。


だったらもう……別れよう。


いい加減解放してあげなきゃ。


本当はずっとそう考えていた。


ここで覚悟を決めなきゃいけないのかもしれない。



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うそ……だよね?


冗談だよね?


少しでも琉衣との別れを考えたなんて。


冗談に決まってる。


あたしが別れることを選ぶなんて、そんなのはありえないよ。


それに、さっきも会ってたんだし。


別れたなら、会ったりはしないでしょ?



震える手でページをめくり、昨日の日記に目を通した。



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2016年 7月4日 水曜日


琉衣に別れを切り出した。


ツラくて苦しかったけど、泣きながら必死に琉衣に話した。


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うそだ。


絶対うそだ。


そんなこと……あたしはしてないよ。


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