だって、キミが好きだから。
「やはりまた大きくなってますね。そろそろ決断した方がいいと思います。手術をしましょう」
何を言われても、今のあたしの頭には入って来ない。
ううん。
というよりも、もうどうでも良かった。
何もかもがどうでもいい。
「ですが、ここまで大きくなってしまっては……うちでは手術が出来ません。私が知ってる有名な病院を紹介します。北海道の病院になるんですが、腕は確かですから」
「ほ、北海道ですか……?」
お母さんがビックリしている。
そりゃそうだ。
めちゃくちゃ遠すぎる。
「はい。本当にその道の専門病院で、私が信頼出来る医師がいます。菜花ちゃんはまだ若い。これからの人生を考えると、いい医師に診てもらうのが一番だ」
「そ、そうですか。わかりました。では、よろしくお願いします」
お母さんが深々と頭を下げるのを、あたしはぼんやりしながら見つめていた。