だって、キミが好きだから。
どうしてよ!
悔しくて涙が溢れた。
一気に頬に流れて、顎先からポタポタとテーブルの上に落ちる。
もう死んでしまいたい。
生きてたって意味がない。
こんなにツラい思いをするために、生まれて来たわけじゃない。
「ごめ……ごめんね、菜花……っ。お母さんが……代わってあげられたら良かったのに……っ」
「すまない……っ菜花。親として……お前に何もしてやれないなんて。でもな、お前はそうならないためにも北海道の病院に行くんだ」
お父さんとお母さんの言葉が右から左に抜けて行く。
可能性がゼロじゃない限り、何を言われても『認知症』っていう言葉が頭から離れなかった。
怖い。
嫌だよ。
あたしの人生……終わったも同然じゃん。
もう終わりだ。
先が見えない。
もう……どうでもいい。
必死に諦めようとしてみても、涙が次々溢れて来る。