だって、キミが好きだから。


「あいつ、マジで変わったな。今までと比べものになんねーほど、良い男になったよな〜!」



朔真君が遠くで接客する琉衣を見ながら優しく笑う。



「男の俺でも惚れそうになるよ。ま、俺の方が良い男だけどな」



「朔真君も……いい加減マジメになったら?」



ドヤ顔でキメる朔真君に苦笑する。


あたし、まだ笑えるじゃんなんて冷静にそんなことを思った。


うん。


まだ大丈夫。


泣かない。



「俺?これでも大マジメのつもりだけど。2年になってからは萌奈ちゃん一筋だし」



「え?この前萌奈が、ギャルっぽい女の子と2人で歩いてる朔真君を見たって言ってたよ」



「は?ギャルっぽい女?」



わけがわからないと言いたげに首を傾げる朔真君。



「うん。怖い顔して怒ってるっぽかったから、ケンカしたあとなのかもって」



確かそう日記に書いてあった。



「あー!あれな」



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