だって、キミが好きだから。


あれなって……やっぱり身に覚えがあるんだ?



「カン違いすんなよ?あれは妹だかんな!中学生のくせしてクラブに出入りしてやがったんだよ。カツラかぶってギャルに変装してたけど、普段は大人しいマジメちゃんだから」



「え……?い、妹さん?」



う、うそっ。


そうだったんだ?



「怒ってたのは、あいつに言い寄ってた男にイライラしてただけ」



「そ、そっか。萌奈は完全に誤解してると思うよ」



「うっわー!だよな?やっべ、あとで電話しとこ」



朔真君が焦ったようにたじろぐから、見ていて笑えた。


そっか。


萌奈に本気なんだ。


萌奈は朔真君のことを良く思ってないけど、こうやって話してたら純粋に応援してあげたくなっちゃう。



「頑張ってね!応援してるよ」



萌奈には彼氏がいるけど、うまくいってないみたいだから頑張ってね。



「サンキュー!やっぱ持つべきものは女友達だよな〜!」



「あ、じゃあもうひとつお願い」



そう言って、あたしは唇をキュッと噛み締めた。

< 295 / 343 >

この作品をシェア

pagetop