だって、キミが好きだから。
「この先どんなことがあっても……琉衣を近くで支えてあげてね」
あたしは引きつりそうになる頬を無理やり上げて笑った。
もう泣くのはやめる。
強くならなきゃいけないから。
「は?なんだよ、それ。いなくなるみたいな言い方すんなって〜!」
朔真君は冗談っぽく笑ってそう言ったけど、目はとても真剣だった。
これ以上一緒にいると泣いてしまいそうだったから、静かに席を立ち上がる。
まだ泣くな。
もう少しガマンだよ。
「琉衣がまた泣かないように、朔真君に任せたからね。ごめん……帰るね。バイバイ」
「え?は?なんで?」
困惑する朔真君の声を聞きながら、あたしは足速にお店を出た。
幸いなことに琉衣には見られていないから、追いかけて来るってことはなさそう。
お店を出た瞬間、ガマンしていた涙がどっと溢れ出す。
この先、どんな顔をして琉衣に会えばいいの?
普通にしていられるかな。