だって、キミが好きだから。
うつむいていると、すでにご飯を食べ終えた琉衣が制服のズボンのポケットに手を入れて何かを取り出した。
「これ」
「え?あ……」
琉衣が手にしていたのは指輪だった。
そういえば、4ヶ月記念の時に琉衣がくれたんだっけ。
サイズが合わなくてお直しに出してたやつだ。
シルバー素材で可愛いストーンが3個付いているオシャレな指輪。
「手ぇ出して」
「あ、う、うん」
左手でいいんだよね?
日記にはそう書いてあったんだし。
「違う。逆」
左手を伸ばして琉衣に差し出そうとすると、琉衣はあたしの右手を掴んだ。
そして、そのまま右手の薬指に指輪をそっとはめてくれる。
「左手は……俺がもっと一人前の男になった時に取っとく」
琉衣はあたしの左手に指を絡めて、照れくさそうにはにかんだ。