だって、キミが好きだから。


「ああ……そうだ。全部お前の言う通り」



「それって……俺となのちゃんがラーメン屋に行くよりも前の話だよな?」



「……ああ」



「マジかよ。だから、あの時なのちゃんは……お前を支えてやれって」



ひとり言のようにブツブツ言う朔真の言葉を、俺はまったく理解出来ない。


なんだよ?


なんだってんだよ?



「いいか?よく聞け。これは俺の想像でしかねーけど」



異様な雰囲気を放つ朔真の次の言葉をじっと待った。



「多分、なのちゃんは忘れてねーよ」



は?


忘れてねー?


何をだよ?



「お前に別れ話をしたこと」



はぁ?



「もしくは後で思い出したんだよ。だって俺、ラーメン屋でなのちゃんに言われたし」



「なんて?」



意味がわからなかったけど、真剣な雰囲気を放つ朔真は確信を得たような顔をしていた。


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