だって、キミが好きだから。


次からは救命医の外来録に変わっていた。



菜花はどうやら4年前に交通事故に遭ったらしい。


そこまでひどくはないらしかったが、頭を強く打ち意識を失った。


そして救急車で病院に運ばれたとのことだった。


検査の結果命に別状はなかったけど、それからずっと目を覚ましていないらしい。



うそだと思いたかった。


なんで菜花ばっかりがこんな目に遭わなきゃなんねーんだよ。


菜花が何をしたっていうんだよ?



頼むから……目ぇ覚ませよ。


俺のことは覚えてなくていいから、お願いだよ。



その日、もう一度俺は菜花の病室に出向いた。



ベッドのそばに立ち、安らかに眠り続けている菜花の頬に手を当てる。


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