だって、キミが好きだから。
1.
突然の告白
『北上 菜花(きたがみ なのは)さん
話があるから、昼休みに中庭の桜の木の下に来て下さい』
朝、学校へ行くとノートの切れ端が靴箱の中に入っていた。
ぶっきらぼうでゴツゴツしている、いかにも男子が書いたと思われるいびつな文字。
こ、これって……いわゆる。
冷たい風がヒューッと昇降口を通り抜ける。
思わず身を縮こめたその時ーー。
「菜花ー!おっはよー!どうしたの?こんなところでボーッとしちゃって!」
後ろからパシンと背中を叩かれ、思わず顔をしかめた。
朝からこんなに元気なのは、萌奈(もな)らしいといえば萌奈らしいけど。
それにしても、もうちょっと手加減してくれてもいいんじゃないかな。
さすがに柔道歴10年の萌奈の張り手は、細身で小柄なあたしにはキツい。